「日本ふるさと名産食品展 in クアラルンプール」初開催

クレアは2017年11月10日から19日にかけて、「日本ふるさと名産食品展 in クアラルンプール」を開催しました。この食品展は、海外展開に取り組む自治体への食品展ノウハウ及び出展事業者へのテストマーケティングの場の提供を目的に実施しており、ASEANにおいては昨年度までタイ・バンコクで4回開催していました。今年度は開催国を変更して、初めてマレーシア・クアラルンプールで開催しましたので、その結果をご報告します。

1 会場(ISETAN The Japan Store)

会場の風景

“本物の日本”を提供することをコンセプトに2016年10月にオープンした、ISETAN The Japan Storeを会場としました。
客層は中華系、富裕層が多く、若者からお年寄りまで幅広い年齢層の来場がありました。また、販売フロアに充実したイートインエリアが設けられているため、昼食・夕食の時間帯においては多くの来場者が店内で食事をし、その足で商品を購入していく傾向がうかがえました。

 

2 出展商品と気になる売れ筋商品

イートインのうなぎを焼く様子
日本酒売り場での試飲を実施した梅シロップ※写真中央

今回の食品展には11自治体から14事業者が出展し、様々な商品が集まりました。

その中で売上げが大きかった商品は、イートインで提供していたうなぎや牡蠣でした。多少値が張っても、海鮮類はマレーシアでも受け入れられました。

また、物販の乾麺も、フェア最終日の前に完売してしまうほど大変人気があり、まとめ買いをするお客が目立ちました。値段がお手頃だった(1セット4パック入りで6.3RM※約170円)こともさることながら、「アニマルフリー」を売りにしていたことも理由の一つです。中華系の方からも「ハラール対応を多く求められるマレーシアにおいて、そのような記載があるのは購入しやすい」と意見があったことが印象に残りました。

さらに、黒にんにくなどは商品の良さ(味や健康への効果)を熱心に日本からの出展者が説明しながら試食、試飲を積極的に行った結果ファンができ、数日後にリピーターとして買いにくる方も多く見られました。

3 テストマーケティングのコツはプロモーターとのコミュニケーション

今回の会場では、商品価格の変更やセット売りへの対応を柔軟に行いやすく、テストマーケティングとしては非常に良い環境でした。ただし、闇雲に値段を下げたり、セット売りをしたりするだけでは今後に向けて得られるものが少なくなってしまいます。そこで重要になってくるのが、商品に対して消費者が何を感じているのかを見極めることができる、プロモーターです。プロモーターとのコミュニケーションをしっかりとれている事業者は、自社の商品への感触を逐次確認でき、ニーズを掘り起こせる商品単価を見出した結果、好感触を得た事業者もいました。

4 マレーシア市場におけるお酒の可能性

日本酒売り場での試飲を実施した梅シロップ※写真中央

今回のマレーシアでの食品展において印象的であったことの一つとして、意外とお酒を飲む来場者が多かったことが挙げられます。平日でも多くの方がイートインで提供していたうなぎや牡蠣を日本酒カウンターで食べるなど、お酒と一緒に楽しんでいました。
また、梅シロップの商品を出展した事業者が、会場で別途市販されていたお酒と合わせて即席で梅酒にしたところ、飲んだ方はこの使い方に驚くとともに、美味しいと絶賛していました。
今回の食品展ではお酒の出展はありませんでしたが、このような様子を見ると、ムスリムの多いマレーシア市場においても、中華系の方を中心に、日本のお酒が受け入れられる可能性を感じました。

5 インバウンドを視野に入れた観光PRも絡めて

今回の食品展では物産と観光を絡めた取組みとして、会場の店舗内にあるJTBと連携し、日本との往復航空券などが当たる抽選イベントも併せて実施しました。これは食品展商品を一定額以上購入すると抽選を行える企画で、「当選して日本に行きたい!」という方も多く、マレーシアにおける訪日需要の高さも感じました。
また、出展自治体のPRのため、抽選会場ではノベルティとして自治体PRグッズ(シールやキーホールダーなど)を準備したほか、観光パンフレットも配布しました。抽選会場に訪れた方は「購入した商品が作られている地域に行ってみたい。どのような体験ができるか。」など、初めて知る地域に大きな関心を寄せていました。

6 今こそASEANへ

ASEANは人口6億人超、名目GDP2兆5,000億USドル超という巨大な市場です。現在も着実に経済成長を続けており、今やまさに世界経済において、生産・消費共に重要な地域となっています。

自治体のASEANへの関心も年々高まっており、物産販路拡大など経済活動も活発化してきています。クレアでは、今後も引き続き、自治体のASEANへの販路開拓の支援を行っていきます。ASEANでのテストマーケティングとしてクレアの「日本ふるさと名産食品展」を是非ご活用ください!

■「日本ふるさと名産食品展inクアラルンプール」概要 

開催期間 2017年11月10日(金)~11月19日(日)の10日間
開催場所 マレーシア・クアラルンプール
ISETAN The Japan Store(食品売場フロア)
主催 一般財団法人自治体国際化協会
後援 ・在マレーシア日本国大使館
・JETROクアラルンプール事務所
・JNTOクアラルンプール事務所
・JAPAN FOUNDATIONクアラルンプール事務所
協力企業 ・株式会社JTB
・日本テレビ放送網株式会社
対象者 一般消費者
出展者 14事業者(11自治体)
出展内容 ■イートイン
うなぎ・牡蠣・ラーメン■物販
にんにく加工品、燻製牡蠣、乾麺、スープの素、チョコレート、米麺、うどん、味噌、サイダー、日本茶、梅加工品、うなぎ加工品、みかん 等全86品目(うち10イートイン)
販売総額 約9万リンギット(約240万円)※(1リンギット=26.7円で計算)

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(佐藤所長補佐 愛知県豊橋市派遣)