1 東京都知事のシンガポール訪問
11月15日(水)から17日(金)の日程で、小池百合子東京都知事がシンガポールを訪問されました。今回の訪問はシンガポールのリークアンユー・エクスチェンジフェローシップの招待によるもので、小池知事はシンガポール政府要人との面会、大学等での講演を行いました。
東京都は、近年ますます激化する都市間競争に勝ち抜いていくため、東京を再びアジアの金融拠点として復活させ、資金、人材、情報の集まる都市とするための取組を進めています。小池知事は、シンガポール滞在中、そのような国際金融都市を目指す東京都の取組を積極的にPRしました。
シンガポール事務所では、今回の訪問に当たり、通訳あっせん、事務所スペースの貸出、同行支援等を実施しました。
2 閣僚との面会
今回の訪問の中で、小池都知事はビビアン・バラクリシュナン外相、テオ・チーヒン副首相兼国家安全保障調整担当相、ヘン・スイキャット財務相、そしてリー・シェンロン首相と面会し、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会、国際金融都市を目指す取組を紹介したほか、少子高齢社会への対応など、共通の課題について意見交換を行いました。
リー首相との面会で、小池都知事は、日本全国各地から寄付された使用済み携帯電話から金属を取り出し、オリンピックやパラリンピックのメダルをつくろうという取組「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」を紹介しました。リー首相はこれに賛同し、早速使用済みの携帯電話を提供してくださいました。
3 国際金融都市・東京をPR
小池知事は、投資家やシンガポールの若者に向けての情報発信も積極的に行いました。米モルガン・スタンレー社主催のアジアパシフィックサミットや、シンガポールフィンテックフェスティバルでは、投資家やフィンテック関係の事業者等に向けて、東京都の取組をPRしました。
小池知事は、ヒト、モノ、カネ、情報が集積する東京を「宝の山」と表現し、現在取り組んでいる施策だけでなく、インフラや治安の面からも評価の高い東京の魅力を、時折ジョークを交えながら、効果的に紹介しました。
また、リークアンユー公共政策大学院では、学生をはじめとしたシンガポール国民に向けて、金融に加えて環境の観点からも先進的な施策を打ち出し、スマートシティの実現に取り組んでいることをPRしました。そして、シンガポールもスマートネーションを目指していることに触れ、東京とシンガポールはこれまで以上に連携を進め、サステイナブルなアジアの実現のため、ともにアジアをリードしていこうと呼びかけました。リークアンユー公共政策大学院では、立ち見が出るほど多くの聴衆が集まりました。
4 東京とシンガポール
国際金融都市づくりという面では、シンガポールが一歩先を行っているという印象があり、東京はシンガポールから多くを学ぶことができると思われます。同時に、少子高齢化や環境問題といった共通の課題については、互いに学びあい、連携して立ち向かっていくことが可能だと考えます。今後、この2つの大都市がますます関係を深め、世界における存在感を増していくことを期待したいと思います。