インドへの地方自治体の進出の可能性を探る ~まだまだ未知の国!日本~

クレアシンガポール事務所は、2017年11月25日(土)と26日(日)の2日間、インド・ムンバイのHigh Street Phoenixで開催されたインド最大級の日本見本市「Cool Japan Festival in Mumbai 2017」を取材しました。
会場には、巻き寿司やみそ汁などの日本食ブース、山口県産のお茶や海産物のほか日本製赤ちゃん用品の物品展示ブース、日本へのインバウンド関連ブースのほか、地元企業等によるドラえもんグッズや日本の美しい景色の絵葉書の販売ブースが設けられました。
また、ステージでは、ダンスやJ-Popに加え、クレヨンしんちゃんやドラえもんのショー、コスプレファッションショーが行われ、ショーが始まると会場は一気に熱気に包まれました。

1.インドの訪日観光客の状況

JNTOによると、2016年インドからの訪日旅行者数は前年比19%増加して、123,000人となりました。インドからの旅行者数は、2012年以降順調に増加しており、10年前に比べると2倍近くに伸びています。しかし、インド全体の海外旅行者数は2015年2,038万人と推計されており、日本への旅行者数はほんの一部です。旅行者の旅行先は東京、神奈川、大阪、京都の4都府県で7割を超えています。出展者によると、インドではゴールデンルート以外の地域はあまり知られていないとのことです。

会場にはコスプレをした人が多くいたほか、ドラえもんグッズに注目が集まり、アニメやJ-Popなど日本のサブカルチャーへの関心はインドでも高いことが窺えました。また日本の風景を印刷した絵葉書も人気を集めており、購入した方にインタビューをしたところ、「日本の美しい景色は素晴らしく、ぜひ、日本に行ってみたい。」と話していました。

2.インドの日本食市場について

その一方で、インドでは日本食の認知度はまだ大変低く、2015年の農林水産省推計によると、日本食レストランはわずか70軒にすぎません。また、出展していた現地駐在員に話を聞いたところ、スーパーなどでは日本産の食材や食品はほぼ扱っておらず購入することは難しいとのことでした。
その原因の一つに加工食品へのラベル表示の課題があります。インドに加工食品を輸出する場合には、商品名、原材料名及び食品添加物の明細を英語又はヒンディー語で記載しなければならないほか、ベジタリアン・非ベジタリアンの識別マーク、「牛肉を含まない」という表示を剥離しない方法で表示しなければなりません。つまり、従来の包装表示にステッカーを貼り付ける方法は認められず、インド専用の包装が必要となり、これが非常に高いハードルとなっています。

インドは、近年、約7%の経済成長を遂げており、人口13億人という将来性のある市場です。進出にあたり越えるべきハードルは決して低くはありませんが、ASEANに比してまだ多くの自治体や企業が進出していないインドだからこそ、他の自治体に先駆けて地域の魅力を発信することは、インドにおいて知名度を上げるチャンスです。

 

「Cool Japan Festival in Mumbai 2017」の概要

概  要 2012年から開催されている日本の文化を発信する見本市
開催期間 2017年11月25日(土)~26日(日)
開催場所 High Street Phoenix
主  催 株式会社LA DITTA、ドリームエッジ株式会社
Maido Enterprises Pvt.Ltd.
対    象 一般
入場料 無料
出展自治体 山口県

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