シンガポールのお花事情

ご存知の方も多いと思いますが、シンガポールは、「ガーデンシティ」と呼ばれるほど多くの緑に囲まれた都市で、高い緑化率を誇っています。そのため、街路樹だけでなく、マンションや商業施設、オフィスビルに至るまで、様々な建物にも多くの緑が取り入れられています。このように緑溢れるシンガポールですが、今回はもう少し焦点を絞って、シンガポールのお花事情についてご紹介したいと思います。

道路沿いには、ヤシやモンキーポッド(「このー木、なんの木、気になる木」 の某社CMで有名。)など、熱帯地域に生息する樹木が並ぶ中、ブーゲンビリアの花が歩道橋から垂れ下がっていますし、グランドカバーと呼ばれる道路沿いの、日本でいう花壇のような部分では、オウムバナ科のヘリコニアをよく目にします。このように屋外で咲いている花も、熱帯性のものが多く、高温多湿であるシンガポールならではといった印象を受けます。
一方、屋内でよく見かける花といえば、やはりシンガポールの国花でもある「蘭」ではないでしょうか。日本でも有名な胡蝶蘭(ファレノプシス)だけでなく、日本ではあまり見ることのできない原種の蘭など、様々な種類の蘭が空港やホテル、レストランなど様々な場所で展示され、私たちの目を楽しませてくれます。また、3haの土地に約600種類の蘭を展示しているシンガポール国立蘭園は一見の価値ありです。また、シンガポール人の花の好みは、白や淡い色ではなく、赤や黄色など、はっきりとした色の花で、色鮮やかな花が街を彩ります。

急速な経済成長を遂げ、高層ビルが立ち並ぶシンガポールにおいて、ふと足を止め、目にする花に身を寄せれば、また違った角度からシンガポールを楽しむことができるでしょう。

(シンガポール事務所所長補佐 新海)