宮崎県の市町村職員がASEANの国々で海外研修を実施!

10 月 15 日(月)から19 日(金)までにかけて、宮崎県の市町村職員がインドネシア・シンガポール・ベトナムを訪問し、学校や政府関係機関、現地民間企業と様々なテーマについて意見交換を実施しました。本事業は、宮崎県市町村振興協会が県内の自治体職員向けに実施する海外研修の1つであり、当事務所では、一部訪問先のアポイントメント取得、シンガポールにおけるブリーフィングの実施及び同行支援という形で、この海外研修をサポートしました。今回は、その中から一部の訪問先での様子について報告します。

1 シンガポール日本人中学校

シンガポール日本人中学校では「ICT教育」をメインテーマとして、校長先生と担当の先生から話を伺い、実際の授業の様子も見学しました。シンガポール日本人中学校では、生徒達に一人一台ノートパソコンを所有させており、様々な授業や家庭学習等で活用しているようです。また、家庭科や体育といった実技系の授業で外国人の先生が英語で授業を行う「イマ―ジョン教育」を実施したり、生徒の英語能力により5~7段階の習熟度別授業を行ったりするなど、英語教育にも力を入れています。シンガポールにありながらも、日本の学習指導要領をベースに独自の工夫をしながら生徒達の力を伸ばす学校や授業の在り方に、研修参加者も刺激を受けたようです。

2 シンガポール健康促進局(Health Promotion Board)

シンガポール健康省傘下の健康促進局では、健康診断や病気予防に関する取組などを通して、人々が毎日の生活の中で少しでも健康的な選択が出来るような環境づくりに取り組み、最終的には人々の「習慣」を形作ることを目標としています。例えば、「食」に関する取組としては、食品のパッケージであれば「Healthy Choice」マークを、フードコートのメニュー表であれば「Health Dining Program」マークを付けて、より健康的な食の選択を視覚的に分かりやすくしています。外食産業とも協力して健康的な選択が出来るようなメニューを提供してもらったりしています。また、万歩計を無料配布して歩数に応じたポイントを競うプログラムや、健康促進局公式アプリを通じた健康診断や日々の食生活等に対するアドバイスなどにも、研修参加者は強い関心を寄せていました。

近年、このような形で、市町村職員の海外研修としてシンガポールを中心としたASEAN諸国を訪問するケースが増えています。自治体によって、一つの国に1週間程度滞在する場合や複数国を訪問・比較する場合など、その在り方は様々です。

また、各国の政府機関への訪問を希望されることも多いですが、一方的にブリーフィングを受けるだけではなく、「対等な立場での意見交換」を政府機関側が望むこともあります(特にシンガポールではその傾向が強いです)。「自治体で抱えている課題」「その課題解決のために自治体で取り組んでいる施策」「その課題解決のヒントになるであろう相手国の具体的政策」などを整理した上でアポイントメント取得に臨むことで、より有意義な訪問を実施できる可能性が高まりそうです。

海外の様々な事例について現場の生の声を聴きながら学んだことや、実際の街並みを歩きながら感じたことなどを、是非、派遣元自治体の今後の政策に活かしていただきたいと思います。

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