タイの個人旅行客に日本の魅力をPR ~「Visit Japan FIT Travel Fair 2016 Winter」~

自治体国際化協会シンガポール事務所は、日本政府観光局(以下JNTO)が主催する「Visit Japan FIT Travel Fair 2016 Winter」に参加し、JNTOバンコク事務所と連携して訪日観光のPRを実施しました。
10回目を迎えるFITフェアは参加団体、来場者数ともに過去最大規模となりました。冬の観光シーズンが目前に迫る中、スキーや温泉などの魅力を前面に押し出すなど、日本の観光情報をタイの消費者向けにアピールすることで訪日需要の取り込みを図りました。

1.タイの訪日観光客数の推移

2013 年7 月から実施されたタイの観光客に対する査証免除措置による追い風を受け、2015 年のタイからの訪日観光客数は過去最高の796,731 人(前年比21.2%増)を記録しました。2016 年も1~10 月の訪日タイ人数は724,800 人となり、前年同期比で15.6%増加するなど、依然として堅調に伸びを記録しています。
査証免除等を背景としてリピーターが増える中、従来型のパッケージツアーではなく、個人旅行者(FIT/ Free Individual Traveler)の形態で日本へ旅行するタイ人が増加傾向にあるため、昨年に引き続き、FITに特化した旅行フェアが開催されました。

2.タイ人個人旅行者の傾向

会場ではゴールデンルートはもちろんのこと、河口湖や白川郷に関する情報を求める声が多く聞かれました。
また、主な質問内容としては、「ジャパン・レール・パスの利用範囲」のほか、「雪を見られる場所」や「スキー・スノーボードのできる地域や施設」が挙げられます。年中温暖な気候で暮らすタイ人にとって、日本を訪れる動機として「自然」や「四季」は大きな割合を占めていると言えそうです。
シンガポールとバンコクは都市人口としてはあまり大差がありませんが、訪日旅行フェアへの集客はシンガポールよりバンコクの方が上回っています。これには、タイにおける訪日旅行ブームはもちろんのこと、英語話者が少数であるタイでは、タイ語で生の情報を得にくいといった条件も関係しているようで、今回のような旅行フェアに実際に足を運び情報を収集することに繋がっているといえます。そのため、英語版のパンフレットよりもタイ語版のパンフレットを手にする来場者が多かった印象です。

3.今後の課題と成功の鍵

タイを含むASEAN諸国でのスマートフォン普及率は年々伸びています。特にFITに多い若年層では顕著であり、手軽に情報を検索し、その場で航空券や宿泊先を手配する人が増加しています。各地域がインターネットで取引を行う旅行会社OTA(Online Travel Agent)と協力して、それぞれの言語で魅力をアピールすることが、今後のASEAN諸国における訪日インバウンド成功の鍵を握るといって過言ではありません。
当事務所では、引き続きASEAN諸国の訪日旅行市場最新情報を収集し、関係機関とも連携しながら地域の魅力を発信していきます。

4.Visit Japan FIT Travel Fair 2016 Winter

概要 タイの一般消費者のうちFIT(個人旅行者)に日本の多種多様な観光資源とその魅力を官民一体となってアピールするフェア。2011年に初開催され、2013年から年2回開催。今回が10回目。
会期 2016年11月25日(金)~11月27日(金) 10:00~20:00
開催場所 タイ・バンコク サイアム・パラゴン 5階 Royal Paragon Hall 1、3
主催 日本政府観光局(JNTO)
対象 一般消費者
入場料 無料
来場者数 約60,000人(3日間合計推計値、前年11月開催時:約46,000人)
出展団体数 日本側出展団体48団体、タイ側出展団体33団体

 ※ FITフェアはJNTO主催で年に2回(夏6~7月頃、冬11月頃)バンコク市内主要ショッピングモールにて実施します。今後の予定など詳細については、JNTO日本語サイト(http://www.jnto.go.jp/jpn/)の下部にあるイベントスケジュールを随時御確認ください。

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