タイ人の訪日旅行、最新のトレンドは!? (TITF#19)

2016年7月14日(木)~17日(日)の4日間、タイのバンコクにてタイ最大の旅行博「Thai International Travel Fair#19」(TITF#19)が開催されました。日本の自治体や民間企業等、ジャパンゾーンでは40以上の団体がブースを構え、官民一体・オールジャパンで訪日観光誘客の促進活動を行いました。

【定番のゴールデンルート&北海道】

依然として人気が高いのが東京~大阪間のいわゆるゴールデンルートと北海道ですが、これらの中でもタイの訪日旅行者の最新のトレンドはいったいどこでしょうか。

ゴールデンルートの中で、今回特に目立ったのは、関西エリアでした。右の写真は来場者が日本の訪れたい地域に投票したもので、投票数を表す赤色のシールが、隙間が見えないほど重ねて貼られており、関西に人気が集中していることが一目瞭然です。この理由として、ショッピングを楽しんだり、都会の雰囲気を味わったりすることができ、且つ文化や自然も楽しむことができるといった関西エリアならではの多種多様な「売り」の要素がタイ人の心を掴んでいるのだろうといった意見がありました。
また、北海道ブースへ足を運ぶ方は、ゴールデンルートには既に訪れたことのあるリピーターが多かったようです。来場者からの質問では、雪に関する質問が依然として多く、さらに「動物園に行きたい」「ラベンダー畑や紅葉を見たい」などに加え、スキーなどのアクティビティーに関する質問も多く受けました。リピーターの中には、事前に入念に調べて来る方も多く、「動物がプリントされた列車に乗りたい」など、マニアックな質問もありました。

【ゴールデンルート、北海道の次はどこへ?】

ゴールデンルートと北海道の次の候補地として、様々な自治体がそのポジションを狙い、PRに力を入れていました。
タイではFIT旅行者が増えていることから、目的地までの行き方についてよく聞かれるため、静岡県ブースでは鉄道会社と連携し、レールパスを導入することで、そのレールパスを使って回るコースを紹介したパンフレットが人気でした。一方で沖縄県ブースではバスによる旅行の不便さが来場者の声として聞かれ、公共交通機関の充実に向けた課題も見つけることができたとの意見もありました。また、宮崎県、長崎県、大分県(別府市)などの九州エリアのブースでは、依然として花を見ることができるスポットや綺麗な写真を撮ることができる場所に関する質問が多く聞かれました。熊本地震の影響については、東日本大震災以降、日本では地震が起こるものという認識が広がっており、今回、地震に関する質問はそれほど多くなかったとのことでした。山形県などの東北エリアブースでは、紅葉や雪に関する質問も依然として多い中、ぶどうやりんご、さくらんぼなど果物狩りのような体験型の観光に注目が集まっていました。また、鳥取県では、「名探偵コナン」の作者として有名な「青山剛昌ふるさと館」や「ゲゲゲの鬼太郎」でお馴染みの「水木しげる記念館」が人気で、日本のアニメブームのタイならではの傾向が見られました。食では、日本全国的に刺身や蟹などの海鮮物に人気がある中で、温泉で有名な箱根の「大涌谷の黒たまご」、和歌山県の「和歌山ラーメン」といった、その土地ならではの名産品にも多くの注目が集まっていました。

【今回のTITFを振り返って】  

今回のTITFは、例年とは違い7月に開催されたことで、タイの連休と開催時期が重なっていたことからか、また円高の影響からか、例年より若干来場者数が少ないと感じるブースの声が多かったようです。とはいえ、ジャパンゾーンは、会場内でもひと際賑わっており、2015年のタイ人の訪日旅行者数が2014年比21.2%増の79万6,700人であったことを裏付ける盛況ぶりでした。また、昨年度来場者からの要望が強かった、国際免許の取得方法(タイでの国際免許の取得は比較的容易)や日本の交通ルールなどを記載したパンフレットをJNTOが作成しており、今後はレンタカーで日本各地を巡る旅行者を多く目にするようになるのではないかと考えられます。

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