2022年1月26日(水)及び27日(木)、クレア本部交流親善課の主催する「海外自治体幹部交流協力セミナー」が開催され、シンガポール事務所の所管国6か国(カンボジア、インドネシア、フィリピン、タイ、インド、スリランカ)から7名が参加しました。
本セミナーは、海外の自治体及び関係機関の幹部職員を日本に招へいし、日本の地方自治の現状・課題についての講義や視察を通して意見交換を行うことにより、互いの地域についての理解を深め、人的ネットワークの構築を推進することを目的に実施しているもので、クレアの海外7事務所の所管国・地域ごとに行われています。今年度のセミナーは、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、当事務所の所管国を対象としたものでは初めてオンラインで開催され、日本の地方自治制度についての講義を行う東京セミナーと、福島県郡山市が取り組みを紹介する地方セミナーの2部構成で実施されました。
当事務所では、所管国との窓口として、セミナー開催まで、参加希望者の募集や取りまとめ、クレア本部や郡山市と参加者との間の連絡調整等を行ったほか、セミナー当日は、セミナーの運営及び参加者の発言時のサポート等を行いました。
<プログラム> ※日本時間で表記
1月26日(水)
13:05~15:00 東京セミナー(講義) 「日本の地方自治制度」 明治大学 公共政策大学院 専任教授 木村俊介 氏 |
16:00~16:10 地方セミナー開会挨拶 (一財)自治体国際化協会 南光院 常務理事、郡山市長 品川萬里 氏 |
16:10~16:35 参加者自己紹介 |
16:35~17:15 地方セミナー(取り組み概要説明) 「SDGsに基づく未来都市の実現に向けた取り組み~こおりやま広域圏との連携~」 郡山市 政策開発課 係長 猪股秀行 氏 |
17:15~17:45 質疑応答、郡山市の視察動画案内 |
1月27日(木)
16:05~17:50 地方セミナー(意見交換・質疑応答) |
17:50~18:00 地方セミナー閉会挨拶 郡山市長 品川萬里 氏 |
26日はまず、東京セミナー講義として、明治大学公共政策大学院の木村教授から、都道府県と市町村という地方公共団体の2層制や公選された首長(知事・市町村長)による行政執行、議会の役割・権限や首長と議会の関係性など、日本の地方自治制度の概要についてお話しいただきました。
次に、地方セミナーのホスト自治体である郡山市より、SDGsに基づく未来都市の実現に向けたまちづくりの事例として、産学官連携による再生可能エネルギーや高度医療分野に注力した取り組みについてお話しいただいたほか、現地の取り組みをまとめた郡山市の視察動画をご紹介いただきました。
27日には、前日の郡山市による説明や視察動画を踏まえた参加者同士の意見交換や、参加者と郡山市の間での質疑応答が行われました。参加者からは、原子力発電に代わる再生可能エネルギーとして実証実験が進む水素発電を推進する狙いや課題、連携相手となる研究機関や高度医療機関、ヘルスケア関連企業の招致における郡山市や広域圏での取り組みの工夫など、前日のセミナーの内容を踏まえた具体的な質問が多く寄せられ、郡山市の取り組みに対する参加者の強い関心がうかがえました。
また、郡山市からも、各国及び各国地方自治体におけるSDGsの理念の浸透度合いや政策への反映事例などについて各参加者に質問がなされ、参加者からSDGsを取り巻く各国の取り組みに関する情報共有がなされるなど、郡山市と参加者双方にとって有意義な意見交換及び情報交換の場となりました。
今年度のセミナーはオンライン開催となり、東京やホスト自治体の実際の視察や対面での交流はできませんでしたが、ホスト自治体等のご協力もあり、意見交換や情報交換を通じて互いの国・地域について理解を深める良い機会となりました。
当事務所では、今後も本セミナーがホスト自治体及び所管国の参加者にとって有用なセミナーとなるよう、クレア本部と共にサポートを行ってまいります。自治体の皆様におかれましては、今後とも当事業へのご協力をお願い申し上げます。