JA宮崎中央は、9月21日(金)、9月22日(土)の2日間、伊勢丹スコッツ店において宮崎県産米「夏の笑み」の販促プロモーションを実施しました。また同期間、宮崎市役所農政部の職員2名が来星され、JA宮崎中央の職員1名とともに、シンガポールにおける官民一体となった更なる販路開拓を実現すべく、ABC Cooking Studioなど現地企業への訪問や、日系スーパー、ウェットマーケットなど現地市場の調査を実施されました。
宮崎県産米「夏の笑み」の特徴は、何といっても他の品種よりも早く新米をお届けできるという点です。通常の品種は、9月下旬から10月中旬にかけて収穫されますが、「夏の笑み」は、宮崎の温暖な気候を利用して、3月に田植えが行われ、7月下旬には稲刈りが始まります。
今回の販促プロモーションでも、宮崎から獲れたての新米を持ち込み、新米だからこその美味しさを試食も交えながら伝えることで、多くのお客さんが足を止め、購入されていました。
また、車社会である宮崎で一般的な5kgの商品だけでなく、バスや地下鉄などの公共交通機関を利用している人が多いシンガポールに合わせた、2kgの商品も準備し、現地事情に合わせたプロモーションを行うことで、購入に結び付けていました。
また、新米に限らず宮崎県産の農作物や加工品の販路開拓の可能性を見出すべく、現地企業の訪問も実施しました。その内の1つとして訪問したABC Cooking Studioでは、シンガポーリアンの自炊率の低さを踏まえた上で、どのような戦略でコンシューマ向けの商品の販路開拓に取り組む必要があるか議論がなされました。例えば、兵庫県の燻製醤油などの手軽に幅広く使える調味料や、高知県の柚子ジュースなどの加工品は、ファンが付きやすい傾向にあるということに対して、加工品は、味だけでなくパッケージのデザインなどからも他との違いが出しやすいことが理由の1つではないかなど、活発な意見交換が行われました。
市場調査では、明治屋などの日系スーパーと、ローカルの方が買い物される場所としてテッカセンターを視察しました。日系スーパーで販売されている商品の価格帯の高さだけでなく、ウェットマーケットで販売されている質の高い低価格のフルーツにも驚いていました。マンゴーやきんかんなどのフルーツが有名な宮崎ですが、今後、シンガポールに売り出していく品を選定する上で、無視できない市場として大変参考になったとのことでした。
「日本産」というだけでなく、商品自体に固有の特徴や強みが求められるようになったシンガポールの市場において、いち早く新米を届けられるという宮崎県産米の特徴は、他の商品にはない強みの1つだと言えます。
今後は、今回のようなプロモーションを継続的に行うことに加え、ABC Cooking Studioを活用した手法のように、他の商品との差別化を図りつつ、よりお米の良さを効果的に伝えられるマーケティング手法の検討も必要になるのではないでしょうか。