2018年2月22日(木)から25日(日)の4日間、カンボジア・プノンペンにあるカンボジア日本人材開発センター(CJCC)にて日本の伝統・現代文化をカンボジアの人たちに発信する「日本・カンボジア絆フェスティバル2018」が開催されました。今年で7回目となる同フェスティバルは、両国の文化交流を図ることを目的とし、在カンボジア日本国大使館、カンボジア日本人材開発センター及び国際交流基金アジアセンターの共催にて、毎年開催されているものです。
会場に到着すると、まず真っ先に目に飛び込んできたのは、浴衣を着たカンボジアの若者たちが10本ほどの桜並木の下で盛り上がりながら写真を撮っている風景でした。これは本物の桜ではありませんが、大勢の人たちでそのスペースが賑わっていたことからも、桜への関心の高さが伺えました。また、同スペースには富士山の大きな写真パネルも設置されており、来場者はそのパネルの前で様々なポーズで写真撮影をし、SNSへ投稿している様子も多く見受けられました。「浴衣・桜・富士山」はカンボジアでも日本を代表するキーワードと言えるようです。
また、たこ焼きやかき氷といった日本の食べ物を、日本の大学生を中心としたグループが提供していました。知らずに、たこ焼きをいきなり口に入れてしまい、熱さに慌てながらも、そのあと笑顔になる購入者の姿は、まさに日本の食文化を体験しているひと時と感じられました。そのほかにも、いくつもの学び・体験ブースが設置されており、書道・花道の体験ブースをはじめ、北九州市のカンボジアでの水道技術支援やJAXAの取組みを紹介するブースもあり、来場者は興味津々に日本とカンボジアの交流状況について知識を深めていました。
今回参加して最も驚かされたのは、カンボジアの学生が思いのほか日本のことを知っていることでした。例えば、カンボジアの学生が日本及びカンボジアの文化についての問題に答える「日本-カンボジア学生クイズ大会」では「通称「しらさぎ城」と呼ばれる世界遺産の城はどこか」といった、もしかすると日本人でも答えることができないような問いに対して、背景も踏まえながら答えるカンボジアの学生に対して会場からは大きな拍手が送られていました。そのような学生たちに、なぜ日本について学びたいのか、なぜ興味を持ったのか聞いてみると、「日本に留学して、将来日本の企業で働きたい」という声が大きかったのと同時に、「日本の漫画やアニメを愛している」という声も多くありました。「このキャラクターを知っているか」と日本語で話しかけてくる若者たちの目は本当に輝いており、日本の大学生たちとその話題で仲良くなり、交流を深める風景も見受けられました。
来場者は「いつか日本で本物を感じたい」という想いがあるようで、私たちは「日本までは何時間かかるのか」、「桜のシーズンは何月か」といった質問を非常に多く受けました。カンボジアの方々が行きたいと言う地域は東京・大阪・北海道が多く、そのほかの地域への関心はまだ低いようですが、文化を通して日本に興味を持ち、例えば、カンボジアでも人気のある漫画やアニメ内に出てくる地域に訪れる可能性も十分に感じられました。今回の「日本・カンボジア絆フェスティバル2018」を通じて、文化交流から生まれる日本への興味や繋がりは、多方面に良い影響を生み出すものだと実感しました。このようなイベントにより、今後も若者を中心に幅広い層の人たちが互いに相手国に対する関心を高め、将来にわたり双方向の交流が促進されていくことが期待されます。
(新海所長補佐 愛知県東海市派遣)
(佐藤所長補佐 愛知県豊橋市派遣)